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最終戦ブラジルGP編です。
●タイヤスペック●
スーパーソフトタイヤ採用ということで、フェラーリに若干の苦手意識があったが、BSタイヤ側の見解によれば、結果が出なかったモナコ・カナダ・ハンガリーは縁石で跳ねた後の挙動が悪いからであって、スーパーソフトそのものが悪いという訳ではない。今回は路面が再舗装されてバンピーさがなくなったことから、フェラーリが有利とも考えられた。
金曜P1でハミルトンや琢磨がスタンダードウェットを2セット使ってペナルティを受けた件、単にレギュレーションを知らなかっただけ。シーズン途中にレギュレーションが変更されたのは、BSタイヤがウェットタイヤ本数をレギュレーション通りに用意できなかった為。
金曜P2では、各チームともタイヤのグレイニングがひどく、タレも大きかったので、使い物にならないという印象が強かった。土曜P3になると、カナダやモンツァのようなブリスターまで発生した。
路面にまだラバーが乗っていないこともあったが、BSタイヤ側は今年一番不安な週末となった。
予選Q2とQ3ではタイムの逆転現象が起こった。ラバー効果かどうかは懐疑的であり、この時点では決勝は3ストップ作戦が有利と考えられた。また、これによって各ドライバーの第1スティントの長さが予測が難しくなった。
●ピットストップ作戦●
ピット戦略を決定する要因として、@フューエルエフェクト、Aタイヤのタレ、Bピットレーンの長さなどがあるが、今回は@が少なめで10キロあたり0.25秒、燃費が1周あたり約2キロなので、ゲインは1周当たり0.05秒と見込まれた。Aはスーパーソフトが1周当たり0.5〜0.6秒、ソフトた1周当たり0.25秒と大きく、タイヤのタレがフューエルエフェクトのゲインを食ってしまう展開。タイヤのタレを1周0.3秒としても、実際は1周あたり0.25秒遅くなる計算だった。
●予選アタック●
トラックはラバーが乗りつつあり、次第にオーバーステア傾向に。アンダーに苦しむフェラーリ勢には有利な展開だった。
ライコネンは最終アタックの4コーナーでハミルトンに走行を妨害され、ロガー上のデータでは0.3秒失った。これがなければ逆転していたハズ。フェラーリ側は非公式にプロテストしてデータロガーの提出準備までしたが、実際にはアピールしなかった。
これは3位グリッドの方がクリーンサイドであるために有利と判断されたから。
アロンソ&マクラーレンはQ3の最終アタックが時間ギリギリ(コントロールラインを3秒前に通過)となり、アウトラップを飛ばさざるを得なかった。その結果としてグレイニングが発生し、タイムを上げられなかった。また、ブレーキスタビリティにも苦しんでいたこともあり、グリッド4番手でダーティーサイドからのスタートは、カナダGPでの悪夢(モントリオール・シンドローム)の再現も脳裏をかすめ、「チャンピオン獲得は無理かも」というビビリが入った。
フェラーリ勢はマクラーレンと同じバーンオフ13周をこなしたが、グレイニング発生を懸念し、余裕を持って1周早めのタイムアタックに入った。フューエルエフェクトが小さい(0.05秒)サーキットなので、グレイニング発生で0.3秒失うよりはマシと判断した。
●レーススタート●
ハミルトンがスタートに失敗し、マッサが1コーナーまでの加速を途中で緩めるチームプレーで頭を押さえたことで、ライコネンを2位に浮上した。ここまではフェラーリの狙い通りの展開。2コーナーでライコネンが加速をワンテンポ遅らせて後ろのハミルトンが詰まり、アロンソが3位になったのはフェラーリにとって「ボーナス」だった。4コーナーでのハミルトンのコースアウトは、本人の完全なミス。
●ハミルトンのマシントラブル●
予選アタック終了後のインラップで、ギヤボックスのコントロール系のトラブルが出た。これはシフトバレルが動かないというエレクトリックバルブの動作不良と思われたが、パルクフェルメ下でバラして再チェックした結果、「問題なし」と判断された。レース時のトラブルと予選時のトラブルが同じかどうかは判らない。また、レース中にもう一度トラブルが起きていた。
尚、チームがスペアカーを準備することも出来たが、「公平でない」というアロンソの発言に気を使って、スペアカーはアロンソ用に仕立てられていた。ちなみにステアリング・ラックも異なる。
●フェラーリの順位交代●
1回目のピット作業時にマッサとライコネンの順位を入れ替えると思われたが、チームはそれをしなかった。この場合、マッサの方が先に2回目のピット作業を行うことになり、もしセーフティーカーが導入されていたら、(※昨年のトルコGPの様に)大問題となるところだった。2回目のピット作業が終わるまで、フェラーリはヒヤヒヤだった。「周囲の空気が読めない」マッサではあるが、今回はキッチリ仕事をこなした。
●マクラーレンのピット戦略●
アロンソの2ストップ作戦に対し、ハミルトンは3ストップ作戦を選択した。これが正しい判断かどうかを検証してみると、トラブル直後のタイム差が33.1秒、最初のピットイン時の二人のタイム差はハミルトンが追い上げによるロスもあって40.7秒、二人が最後のピットストップを終えた後が36.3秒で、その差が縮まっていた事になり、判断は正解だったと言える。
フェラーリ勢が第1スティントと第2スティントで順調にペースを上げられたのに対し、アロンソは長めの第2スティント序盤にタイヤのタレが発生してタイムを縮められなかった。また、短めの第2スティントにしてソフト側タイヤを選択したハミルトンもタイムが伸びず、第3スティントではハード側タイヤに戻した。
今回持ち込まれたタイヤスペックは1.5ステップほど柔らかめで、結果的にマクラーレン勢にとっては不利となった。
●中嶋一喜デビュー●
第1スティントは30周以上のロングスティントとなり、重い燃料のためチームメイトより平均的に1秒程度遅かったが、タイムは伸ばしてきた。第2スティントはフロントウィングの変更なしでややバランスが悪く、タイムが伸びなかった。第3スティントはバランスがパーフェクトで、スティントが短かったとは言え、全て13秒台にそろえるという良い走りができた。
ピットイン時のミスは、予選から制限速度があがるのだが、予選ではギリギリのスピードでピットボックスに静止するという事がないので練習不足だった。尚、メカニックには骨折や裂傷などはなかった。
●レース後の燃料違反疑惑●
給油器内の燃料の温度が低かった。外気温が高かったこともあるが、ジョー・バウワー氏が余計なものを提出してくれた。結局、ペナルティは出されなかったが、マクラーレンがアピールしている。これによってチャンピオンシップポイントが再逆転する可能性については今の所なく、もし失格となっても順位が繰り上がらないというケースもある。
●チャンピオンシップポイントのタラレバ●
ライコネンはスペインとヨーロッパGPでトラブルによってリタイヤしているが、ラスト2戦で20点のフルポイントを獲得した。ハミルトンはラスト2戦でわずか2ポイント。中国で早めにタイヤ交換して3位〜4位に入っていれば・・・。アロンソは日本GPでのクラッシュがなければ・・・・。マッサはハマると速いが、波がある。これらを考えると、最近のマシンは信頼性が上がってきているので、勝てない時もダメージを最小限にとどめることが本当に重要であることがわかる。
●今シーズンの総括と、来シーズンへの展望●
マレーシア、ハンガリー、そして今回のブラジルGPと、夜遅くまで審議結果を待たされることが多かった。レースはコース上で決着をつけて欲しい。
来シーズンはアメリカGPが消滅し、新しくヨーロッパGPがバレンシア市街地で、そしてシンガポールGPがおなじく市街地でナイトレースとして行われる。ナイトレースはハイビジョン対応のために通常のスポーツ中継よりも光量が必要。また停電や雨が心配である。
※次回F1GPニュースは12月21日放送です。
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